CSR(Corporate Social Responsibility)=「企業の社会的責任」を十分に果たすことが、企業の競争力や信頼性を高め、継続的な発展の基盤となる。いわゆる「大手上場企業」においては、このCSRへの取り組みが目下のところ、とりわけ優先度の高い経営課題として浮上してきています。ビジネス誌や経済誌などでは、一時その関連記事をこぞって取り上げられ、話題になっています。
 CSRへの取り組みは、企業統治、法令遵守、情報開示やリスクマネジメントなど多岐にわたり、たくさんの課題と向き合わなければならず、完璧な形を目指すとしたら、大きな負荷を覚悟しなければなりません。
 
 しかし、サービス業として、より高度な基盤を確立しようとする企業にとって、このCSRという「考え方」に示されていることは、簡単に見過ごしてしまえない、大切な意味を含んでいます。
 「企業の社会的責任」にはあらゆる企業に共通する部分と、業種や事業内容によって変化する部分がありますが、トラック運送業は左に掲げたように、日常の業務が直接的に社会的影響につながる業種であり、この影響に対して果たすべき責任があります。
 CSRは事業によってもたらされるこれらの社会的影響のうち、マイナスの影響を最小限に、プラスの影響を最大限にするための企業努力に他なりません。どんなに一時的に高い売り上げを上げても、その姿勢のない企業は、マイナスの影響がしだいに積み重なり、やがては信頼を失って事業の継続性が断たれることになる。CSRの根本にはそうした考え方があります。

 
   全国250社のトラック運送企業との連携による「サプライチェーン&グリーンロジスティクス」を完成させ、環境物流分野で高い評価を受けるリコーロジスティクス(株)は、CSRの面でも物流サービス業界の中では、いち早く着手し、取り組んできました。同社の経営管理本部 菅田 勝 副本部長は、CSRに対する捉え方について次のように語ります。
 「CSRという言葉は新しいけれど、この概念は日本に約300年前からあるものです。近江商人が自らの信条としていた「売り手よし・買い手よし・世間よし」、江戸時代に商人の社会的役割を高く評価した石田梅岩の石門心学など、日本には「組織経営と社会が互いに幸福になる事業こそ良い事業」という考え方がありました。
 欧米から輸入された経営戦略論や経営システムに席巻されて、日本企業は、この伝統を忘れかけていたフシがあります。それを思い出させてくれたのが、皮肉にもCSRというまた新たに欧米から上陸したビジネス用語だったのです。その意味で他のビジネス用語とはちがって、この言葉には改めて噛み締めてみるべき価値があります」。


 
   さらに、菅田氏は、トラック運送企業の具体的なCSRへの取り組みについては、特別なことをするのではなく「基本」が大切と指摘します。
 「私は、CSRは「強くて、やさしくて長続きする会社になる」ための活動全般を指すものだと考えています。ですから、本業を離れて何か特別に新しい活動をアピールするのは、CSRの本義ではないのではないかと思うのです。トラック輸送企業なら、やはり本業の領分でCSRを果たすべきで「安全・接客およびサービス力・環境・現場力としてのドライバー」の4点を重視し高めていくことが大切だと、これまでの実務経験から感じている次第です。」

 
   CSRの重要ポイントである顧客満足(CS)については、荷主の要求に従って運賃を下げるのは本当のCSではないことを強調されています。運賃を下げる→人件費を減らす→ドライバーの質が低下する→事故やクレームが増える→やがて荷主の不満は決定的になり、不毛な結果しか残らないといいます。
 「これから先、日本社会は物量が減っていくのは明らかです。いまコスト競争に明け暮れて「安かろう悪かろう」の物流になってしまっては、自社も荷主も社会も幸せになりません。約6万社あるトラック輸送企業が、これから付加価値サービス化を図って、いかに構造転換していくか。それを考えていく上で、CSRを推進展開していくのは、大変に意義あることだと思っています」。


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株式会社アップル/・エビス運輸株式会社/・株式会社タムラコーポレーション
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リコーロジスティクス株式会社
/株式会社トーマツ環境品質研究所
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